第44回NSA全日本サーフィン選手権を振り返って。
三口 省賢
私が全日本サーフィン選手権に初参加したのは1981年の第16回大会で 場所は今年行われた三重県 伊勢 志摩市 国府ノ浜でした。その時はジャッジとして参加させていただき 今回のMC担当 福田義昭さんがジュニアクラスで優勝しました。
2009年8月30日(日)でその週の火曜日から行われていたが無事終了しました。
今年は三重県 伊勢 志摩市国府の浜と言う事で地元三重支部はもちろん ここでサーフィンの練習をしている近隣支部の選手も大いに盛り上がりました。
私のわかる範囲でご紹介します。
ロングボードマスタークラスではカマちゃん(釜本選手)が4位 いつも松林〜三角ポイントの間でサーフィンしておられます。市後などでたまにご一緒させていただいている西村選手が3位に入賞です。
ロングボードマスタークラス
Red 山崎 市朗 ヤマザキ イチロウ 湘南藤沢 1
Blue 野田 雅生 ノダ マサオ 宮崎 2
Green 西村 礼介 ニシムラ レイスケ 三重 3
White 釜本 敏幸 カマモト トシユキ 大阪 4
ロングボードメンクラスでは三重の田尻選手が3位 いつもラスタ前あたりで練習しておられます。
ロングボードメンクラス
Red 岡崎 生水 オカザキ ユウク 静岡2区 1
Blue 中山 祐樹 ナカヤマ ユウキ 横浜 2
Green 田尻 洋一 タジリ ヨウイチ 三重 3
White 小室 慶太 コムロ ケイタ 湘南茅ヶ崎 4
シニアクラスでは惜しくも2位になった仲村一智選手、かなりいいサーフィンしていたので僅差で負けたに違いありません。家の前がこの大会会場だけあって一番盛り上がりました。応援団もすごい数でした。
シニアクラス
Red 鈴木 貴 スズキ タカシ 静岡2区 1
Green 仲村 一智 ナカムラ カズトモ 三重 2
Blue 大世戸 洋司 オオセド ヨウジ 東京 3
White 田村 誠治 タムラ セイジ 徳島 4
ボーイクラス 私は見る事が出来なかったのですが仲村一智選手の弟で拓久未選手 4連覇がかかっていたので盛上っていたに違いありません。 ボーイズ クラス Red 新井 洋人 アライ ヒロト 横浜 1
Green 大原 洋人 オオハラ ヒロト 千葉東 2
White 村上 舜 ムラカミ シュン 湘南西 3
Blue 仲村 拓久未 ナカムラ タクミ 三重 4
キッズクラスも見られませんでしたが 大阪の西兄弟の一人が入賞しています。
キッズクラス
Green 安井 拓海 ヤスイ タクミ 千葉南 1
Red 西 慶司郎 ニシ ケイジロウ 大阪 2
White 浜瀬 海 ハマセ カイ 湘南西 3
Blue 村上 蓮 ムラカミ レン 湘南西 4
入賞の皆さん おめでとうございます。そしてお疲れさんでした。
そして最後に私事ですいません。毎年 出させていただいているロイヤルクラスで優勝させていただきました。
Blue 三口 省賢 ミクチ ヨシタカ 大阪 1
Green 岡野 孝親さん オカノ タカチカ 東京 2
White 岡 廣光さん オカ ヒロミツ 湘南鎌倉 3
Red 山崎 信男さん ヤマザキ ノブオ 東京 4
私自身、ロイヤルクラスでの優勝はこれで2回目になります。今回の参加者は4名 前回は7名 その前の私が優勝した新島も4名です。エントリー選手が少ないから勝てるチャンスは大きいです。開催される場所によってエントリー数が違いいます。湘南で行われた全日本の時は20名くらいエントリーしていました。
ロイヤルクラスの参加資格は?とたくさんの方に聞かれます。「NSAからの招待です。」と答えるんですがどうしたら招待されるんですか?と言う事になります。自慢話と思わないでほしいんですが私がたどってきた道と同じ道を歩んでいただければ招待されるかも知れません。初めはジャッジとして参加し、大阪支部長を務め、支部長クラスで大会に参加したり、理事になって関西と関東をうまくとりもったり、顧問としてアドバイスをしたり、NSA A級ジャッジ資格をとったり、、、要するにNSAにどれだけ貢献してきたか?と言うところだと思います。
西日本から今までも多くの方がNSAに貢献されてきましたが実際招待されているのは私を含めて数名だと思います。そして、大会に出ているのは関西からは今のところ私一人だけみたいです。
他のエントリーしている人に失礼にも関わらずロイヤルクラスを私は余興クラスと呼んでいます。恥ずかしいと言うか 照れくさいのでそう呼ぶのですが実は参加している方々は私も含めて皆、真剣なのです。どのクラスの選手もそうだと思いますが私は一年前からこのコンテストのために時間の許す限り練習してきました。二か月前くらいからは特に気合が入っていました。出来る限り、毎晩 ジムに通い、週末は欠かさず海へと言いたい所なのですが仕事の方が7月8月は休みなしで唯一 サーフィンできるのは波がある日の和歌山 磯の浦 しかも午前中の2時間だけと言う事でほとんど練習出来ていませんでした。しかし 通い慣れた伊勢の波は知りつくしていますし、波のサイズによって試合のイメージも出来上がっていました。逆にしばらく伊勢に来ていなかったのでサーフィンに対してハングリーになれたのも良かったと思います。
試合前日、サーフィンの練習はほどほどにして 海に飛び込んだり、スケートボードしたりして調整していました。私の場合、こちらの方がかえって海に入った時に調子がいいと思っています。実際 久々にサーフィンした時は調子がいい事が多いです。
当日は慣れ久しんだ伊勢とはいえ 全日本です。見ている人数が違います。他のポインドで行われた時より知人が多い分、緊張も倍増です。
MC福田さんの「ロイヤルクラスの選手 海に入って下さい」コールで海に向かって走ります。そこでMC義昭が 「カマちゃん何かしてくれるんかな?」の一言で何か しないといけなくなり思わずつまずいてサーフボードを持ったまま転んでみました。会場から爆笑の声があったかどうかはわかりませんでしたが私自身の緊張はこれでかなりおさまり冷静すぎるくらい冷静に波、他の選手を見る事が出来ました。
スタート同時くらいにロングボードの岡野選手がいきなりいい波に乗り 点数が発表されました「7.?ポイント」 と聞かされた時は 一気にあせり始めました。今まで試合で7点台なんて出した事がありません。ジャッジを盛んにしていた頃でもアマチュア選手に7点台をあげた事などほとんどありません。
そして、自分のところに波がきました。自分の記憶ではいつも通り普通に乗って横に走り最後に少しだけスープに当てたくらいのライディングです。そのライディングの得点がアナウンスされ確か7.5ポイントだったと思います。他の選手も次々とライディングし得点が発表され3点台4点台です。よしこれでもう一本いい波に乗ればイケるという自信がわいてきました。試合前に先日敗れた仲間の芝野選手からいいアドバイスをもらっていて「攻めて下さい」「テトラの横から入るセットを狙って下さい。きれいにレギュラーに割れます」と言う言葉が試合中 ずっと頭の中にあり後半にその波が入り、思わずバドリングテイクオフボトムから一発攻めるライディングそのまま アップスダウンでつなぎ最後にフローターのようなローラーコースターでタッチダウンも転ばずに成功!得点のアナウンスをする前に アシスタントのMCが「すごい事です」と一言「福田さん発表しなければ」と言う声も聞こえてきて「カマちゃん!!すごいです。やりました10点満点です」のアナウンス。私がジャッジしていた頃オーストラリアでの試合中 にトム・カレンに10点満点をつけた事はあるけれど10点満点をもらった事は生れてはじめて、なんとも言えないほどの恥ずかしさとうれしさがありました。
試合の結果は優勝ですが10点満点出したにも関わらず表彰式での結果発表まで信じる事ができません。今まで何度も優勝したと思っていても負けていた経験がたくさんあるからです。自信を持ち過ぎてもいけません。そして優勝がコールされて初めてホットした次第です。
今まで私の家族は私が大会に参加している姿を見た事がありません。今回は私が毎週通う伊勢なので是非、見てもらえるようにと思い妻と長女をよびました。そして、家族の前で優勝したかったのです。感動して欲しかったのです。それが見事 叶って 家族も少し私のサーフィン認めてくれて喜んでくれました。が、しかし妻が一言「30年前と乗り方一緒やね」に私はガックリ! でも当たっていると思います。
優勝する事が出来たのは家族や仲間の応援があって、ライバルがいて、ジャッジや運営をしてくれた人達がいて伊勢の海があって波があっての事です。すべての事にすべてのものに感謝です。
来年の全日本は福島県で行われると聞いています。東京の岡野さん、山崎さん鎌倉でラッシュウエットスーツの岡さん達ライバルのためにも出来る限り練習して参加したいと思います。
全日本サーフィン選手権の歴代の入賞者
1983年 | 18回大会 | ボーイズクラス | 第4位 | 荷川取 操 | 茨城県 |
1986年 | 21回大会 | ジュニアクラス | 第5位 | 藤原 栄二 | 福島県 |
1992年 | 27回大会 | シニアクラス | 優勝 | 瀬尾 和成 | 静岡県 |
1993年 | 28回大会 | レディースクラス | 優勝 | 外園 ちあき | 千葉県 |
2003年 | 38回大会 | シニアクラス | 第3位 | 芝野 雅之 | 島根県 |
2006年 | 41回大会 | ロイヤルクラス | 第4位 | 三口 省賢 | 宮崎県 |
2007年 | 42回大会 | ロイヤルクラス | 優勝 | 三口 省賢 | 東京都 |
2009年 | 44回大会 | ロイヤルクラス | 優勝 | 三口 省賢 | 三重県 |